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商圏分析 用語集
家計調査年報とは、総務省統計局が国民生活の実態を知るために行う調査です。家計調査の調査対象は単身世帯を除く全国の消費者世帯で、一定の統計上の抽出方法に基づき選定された全国約9千世帯の方々を対象として,家計の収入・支出,貯蓄・負債などを毎月調査し、月報と年報の形で、都市別、地域別、その他世帯の特性別に分析して発表しています。
マーケットアナライザー(MarketAnalyzer™)シリーズでは、1km四方や500m四方といったメッシュ単位や町丁・字等の小地域単位に集計された家計調査年報(推計消費支出データ)を搭載、分析することができます。本データは単身世帯、2人以上世帯、全世帯という区分別に、約600項目の消費項目ごとの年間消費額が収録されています。
→消費支出
総務省統計局が調査しています。選定した世帯の協力を得て毎日の家計の収入や支出を記録してもらい、その結果を取りまとめて国民生活の実態を家計の面から明らかにするもので、国の最も基本的でかつ重要な統計調査の一つです。
調査結果は、景気動向の判断指標として不可欠なものであることはもとより、国や地方公共団体の各種施策立案や、大学・民間団体での分析などに幅広く利用されています。
○利点
・指定統計である
国の景気動向の把握、消費者物価指数の品目選定の基礎資料として利用されており、指定統計として認可されています。
※指定統計:公的機関で利用されている信頼できるデータ
・地域の消費品目の傾向が見える
「都道府県庁所在市別」の「家計調査品目別データ」結果から、地域の特徴を知ることができます。
・消費者側から取得できる品目別統計は家計調査のみ
個人消費を供給側(いわゆる小売店等)から商業統計等で見ることはできますが、消費者側から見える統計データは家計調査年報のみです。
○弱点
・標本数が少ない
調査世帯は家計簿と同じように購入した品目、値段を詳細に記入する必要があるため、調査サンプルは限られます(全国で約9,000世帯)。
大項目10、中項目約50、小項目約600の項目から構成されており、詳細な品目別消費金額が把握できます(図1)。
【図1 分類例】
1世帯当たり年平均1か月間の収入と支出(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)より、2000年から2012年までの推移を分析します。2000年の世帯当たり消費金額を100%とし、年別の推移を特徴のあるカテゴリ別に見てみます。
○食料品関連(図2-1)
米、魚介類関連の消費金額が2000年以降大きく減少しています。反面、パンや肉類は2000年以降大きな変化はありません。2012年になり消費金額は若干回復傾向にあります。
【図2-1】
○衣料品関連(図2-2)
ファストファッションの台頭に伴い、2000年代半ば以降、衣料品の消費金額は減少傾向にあります。子供服については変動が少なく、少子化の中でも子供にかける金額は景気動向に左右されにくいことがわかります。食料品と同様2012年の消費金額は回復傾向にあります。
【図2-2】
○保健医療(図2-3)
高齢化に伴う医療費増大が社会問題化しているとおり、全般的に増加傾向にあることがうかがえます。健康保持用摂取品(サプリなど)が急増しており、健康維持に対する意識が高まっていることもわかります。
【図2-3】
○その他 特徴的な消費品目(図2-4)
2000年以降大きな変動や増加傾向にある品目をピックアップしました。通信費は携帯電話とスマホの普及などにより、継続的に増加傾向にあります。教育娯楽耐久財(テレビ)は地デジ、エコポイント特需で2010年に大きく増加しましたが、需要を先食いした結果いまだ需要の回復は見られません。教育娯楽サービス月謝額や理美容品も断続的に増加傾向にあります。自分への投資にあたる項目で、個性化を裏付ける結果といえるかもしれません。
【図2-4】