商圏分析 用語集

商圏分析 用語集

~基礎からトレンドまで~

国勢調査


1.国勢調査とは

国勢調査(こくせいちょうさ)とは、総務省統計局が主体となって行う国で最も重要な調査で、日本に住むすべての人(外国人を含む)が対象となります。人口及び世帯、年齢、就業状態といった人口に関する調査項目があり、「人口センサス」とも呼ばれます。 人口状況を明らかにするため5年周期で調査されており、西暦の末尾が0の年は「大規模調査(本調査)」、末尾が5の年には「簡易調査」が行われます。

国勢調査の信頼性について

国勢調査は、調査対象となる母集団全てを調査す『全数調査』のため、誤差なく正確な結果が得られる貴重なデータとなります。なお、回答は法律により義務付けられており、インタネット回答の受付も始まった事から回答率が向上しており、最終的な網羅率は非常に高いとされています。

(調査対象)2020年10月時点で日本に3か月以上住んでいる人
対象に含む 対象に含まない
・学校の寄宿舎に住んでいる ・病院に入院している ・船に乗っている
・自衛隊 ・刑務所 ・ホームレス ・外国人
・外国の外交官
・外国の軍隊

国勢調査と住民基本台帳の違い

全国を網羅している公的人口統計は、国勢調査の他に住民基本台帳もあります。
この2つの差は、主に更新頻度と調査項目となります。
国勢調査は5年に1回の調査で、調査項目が豊富なためエリアマーケティングに活かせる幅が広いメリットがあり、住民基本台帳は、調査項目は総人口、男女人口、世帯数のみではあるものの、毎年更新されるメリットがあります。
それぞれの違いを理解した上で使い分けることが重要となります。

国勢調査 住民基本台帳
【メリット】
・調査項目が300以上
・居住地ベースの調査
【デメリット】
・5年に1度の調査
【メリット】
・毎年更新できる
・国土地理院協会11桁住所コード対応可能
【デメリット】
・総人口、男女人口、世帯数のみ
・学生等の実態を反映しづらい

2. 2020年版国勢調査について

2020年版の国勢調査項目は下記となります。2015年時と比べ、「教育」の調査事項等が増えています。
義務教育未修了者の実態把握や、大学院修了者のキャリアパス、進路の可視化を把握するため、小学と中学、大学と大学院をそれぞれ分離し調査されました。また認定こども園も追加されています。

2020年国勢調査(19項目) 2015年国勢調査(17項目)
 世帯員に関する事項 ・氏名
・男女の別
・出生の年月
・世帯主の続き柄
・配偶の関係
・国籍
・現在の住居における期間
・5年前の住居所在地
・在学、卒業等教育の状況
・就業状態
・所属の事業名称及び内容
・仕事の種類
・従業上の地位
・従業地又は通学地
・従業地又は通学地までの利用交手段
・氏名
・男女の別
・出生の年月
・世帯主の続き柄
・配偶の関係
・国籍
・現在の住居における期間
・5年前の住居所在地
・ -
・就業状態
・所属の事業名称及び内容
・仕事の種類
・従業上の地位
・従業地又は通学地
・ -
 世帯に関する事項 ・世帯の種類
・世帯員の数
・住居の種類
・住宅の建て方
・世帯の種類
・世帯員の数
・住居の種類
・住宅の建て方

調査結果(1)都道府県別人口増減率

2020年国勢調査_都道府県別人口増減率

※総務省 報道資料「令和2年国勢調査 人口速報集計結果の要約」より抜粋



調査結果(2)世帯軸での人口変化

人口は減少しているものの世帯数は増加傾向(単身世帯の増加)にあることが見て取れます。

(調査結果)※一部抜粋
一般世帯数は5570万5千世帯
一般世帯の1世帯当たり人員は2.21人で2015年に引き続き減少


一般世帯数及び一般世帯の1世帯当たり人員の推移(2000 年~2020 年) 一般世帯数推移
65歳以上の世帯員がいる一般世帯数は、2265万5千世帯で、一般世帯の4割を占める。
65歳以上人口の約5人に1人が一人暮らし


65歳以上の世帯員がいる一般世帯数

※総務省「令和2年国勢調査 人口等基本集計結果 結果の概要」より抜粋



分析システム「MarketAnalyzer™ 5」で、国勢調査データを地図上に可視化

当社のGIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™ 5」に国勢調査データをインポートし、データを地図上に可視化しました。
GISでは、国勢調査のデータを市区町村単位やメッシュ単位で地図上に表現できます。
下記の図は、市区町村別の人口数増減率と世帯数増減率を表したものです。

▼市区町村別 人口数増減率マップ
全国的に減少傾向、福島県のみ増加。 市区町村別 人口数増減率マップ
▼市区町村別 世帯数増減率マップ
増加と減少が半々。都市部は増加。 市区町村別 世帯数増減率マップ

▼市区町村別 高齢単身世帯増減率マップ
65歳以上の単身世帯の増減率でヒートマップを作成しました。緑色が100%以上で2015年次より増加した地域ですが、全国的に増加傾向ということがわかります。
特に増加した地域は東日本大震災から10年が経過し、少しずつ人口が回復してきた福島県です。東京電力福島第1原発事故後に設定された福島県の帰還困難区域で、居住再開に向けた避難指示の解除が始まったことが影響しています。ただ事故から11年以上がたち、故郷に帰る意思を示す住民は少数にとどまってはいます。
福島県双葉町では、22年10月から災害公営住宅を含む町営住宅25戸が完成し、入居が始まるため、さらに人口が回復していく見込みです。

市区町村別 高齢単身世帯増減率マップ




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