エリアマーケティングラボ

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【トラフィックカウンターとは?】種類や店舗での活用例を解説

2024年10月23日号(Vol.118)

はじめに

トラフィックカウンター(Traffic Counter)とは狭義の意味では特定の場所や道路を通過する人や車両の数を計測する装置やシステムのことです。広義の意味では、計測した人や車両の数のデータベースやそれを活用した分析やマーケティング活動を指します。 本コラムでは、トラフィックカウンターの仕組みや種類について、解説していきます。


トラフィックカウンターとは

トラフィックカウンターには大きく2種類の計測方法があります。 1つ目は測定機器を設置して計測するものです。
2つ目はGPS位置情報(人流データ)を用いる方法です。
さらに、それぞれの計測対象は店舗や施設の場合と、道路の場合があります。




測定機器設置によるトラフィックカウンター

測定機器設置によるトラフィックカウンターは以下の3つが代表的です。いずれも測定したい施設や道路に物理的な機器を設置する必要があるため、測定場所が限られるのと設置費用とランニングコストがかかります。

■ センサー赤外線型

赤外線センサーを使って人や車両の動きを検知し、通過する数をカウントします。シンプルな仕組みで、比較的安いため、広く利用されています。 (個人、年齢層など)の情報は取得できません。

■ レーザーセンサー型

レーザーを利用して人や物体を検出し、通過数をカウントします。精度が高く、屋外や照明が十分ない環境でも利用できます。信号機や駐車場出入り口など近くで使われることが多いです。

■ ビデオカメラ型

ビデオカメラを使って映像を撮影し、AIや画像認識技術を利用して人や車両をカウントします。商業施設や大型店舗では、来店客の動線や滞在時間の分析にも使用されています。




GPS位置情報データによるトラフィックカウンター

店舗や施設の商圏分析やエリアマーケティングの観点ではGPS位置情報データを用いたトラフィックカウンターの活用が進んでいます。
それぞれの地点に測定機器を設置する必要がないため、全国どこでも任意の複数地点を分析することができ、トライアンドエラーが可能です。

近年ではGPSの精度とそれを道路に紐づける技術や移動速度から利用交通手段(徒歩、自転車、自動車)の判別技術も進化し、分析精度も向上しています。
もともとのGPSに性別や年代といった属性も付いているため、移動手段別の通行量だけでなく、30代男性の平日の通行量といった分析も可能となっています。


GPS位置情報によるトラフィックカウンターでわかること

  • 集計期間:平日・休日・全日
  • 時間帯:1時間ごと(00時ー23時)、24時間平均
  • 性別:男性、女性、合計
  • 年代:19歳以下、20代、30代、40代、50代、60代、70歳以上、合計
  • 移動手段:自動車、自転車、徒歩、合計
  • その他:時間帯別の平均通行速度(自動車のみ)
  • ※MarketAnalyzer®Trafficに搭載されている道路単位のデータ項目


トラフィックカウンターの活用用途

主な用途としては以下のようなものがあります。

■ 店舗や施設の来客数の把握

カウンターは店舗や商業される入り口やフロアに設置施設、どれだけの人が来店したかを計測します。これにより、売上と来店数の関係を分析した、マーケティングの効果を検証することができます。
また、ピークタイムにスタッフを増員したり、イベントの効果を測定するなど、運営を最適化することができます。来場者の動線データを基に、効果的なサインや施設内配置の改善も行われます。

■ 交通量の調査

車両用のトラフィックカウンターは道路に設置され、通行する車両の数をカウントします。これにより、交通渋滞の緩和、道路整備計画、信号の最適化など、都市計画や交通管理に利用されます。歩行者の安全対策を考える際にも役立ちます。

■ オーバーツーリズム対策

観光スポットにおいて混み合う通路やエリアをデータで把握し、エビデンスに基づいたオーバーツーリズム対策の企画に活用します。

■ 店舗開発時の通行量調査

飲食や小売チェーンの新規出店において、店前の通行量や歩行者量は来店客を想定する際に必須の情報です。
現地に赴いて人的に調査することもありますが、リソースも限られるため、トラフィックカウンターで人的調査候補地をスクリーニングしたりします。
自動車の場合には前面道路の通過速度も重視されます。速度が高い場合には来店率が下がるためです。

■ 売上予測の説明変数

チェーン企業における新規出店時の売上予測に。教師データとしてトラフィックカウンターによる通行量データを既存店舗の説明変数として用い、相関分析、重回帰分析、機械学習などを使った店舗売上予測モデル構築に活用します。




商圏分析・エリアマーケティングでのトラフィックカウンター活用例

ここからは商圏分析・エリアマーケティング分野におけるトラフィックカウンター、通行量データの活用例について、当社の商圏分析用GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer®Traffic」を例に解説します。

■ 日本全国の道路交通量がわかる

任意のエリア内で通行量に応じた色塗りが可能。性別・年代はもちろん、移動手段別にも可視化できる。
(画像は「港区内・2023年間平均・平日・12時台・自転車の推定人数」)

■ 通行が多い道路を逆引き検索する

任意のエリア内で調べたい通行量に応じた検索機能を搭載。
(画像は「港区内・2023年間平均・休日・12時台・19歳以下の男性が100人以上通行した道路」)

■ 道路一本単位の情報を詳細にわかる

特定の道路の詳細に把握。平休日、時間帯別、属性別、移動手段別の他、自動車の平均速度も。
(画像は「2023年間平均・性年代別の時間帯ごと推定人数の24時間平均とチャート」)

■ 自動車の平均移動速度も可視化できる

MarketAnalyzer® Traffic 独自の機能として、道路一本単位の「平均自動車速度」を確認できる。


おわりに

本コラムでご紹介した「MarketAnalyzer® Traffic」は、現在無料トライアルも受付中です。 そのほか、エリアマーケティングに関するご相談などもお待ちしております。

〇 日本全国の道路通行量が分かる「MarketAnalyzer® Traffic」(詳細はこちら)


〇 販促エリア最適化や顧客ペルソナ分析に「MarketAnalyzer® 5」(詳細はこちら)





監修者プロフィール

市川 史祥
技研商事インターナショナル株式会社
執行役員 マーケティング部 部長 シニアコンサルタント
医療経営士/介護福祉経営士
流通経済大学客員講師/共栄大学客員講師
一般社団法人LBMA Japan 理事

1972年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。不動産業、出版社を経て2002年より技研商事インターナショナルに所属。 小売・飲食・メーカー・サービス業などのクライアントへGIS(地図情報システム)の運用支援・エリアマーケティング支援を行っている。わかりやすいセミナーが定評。年間講演実績90回以上。




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