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エリアマーケティングラボ
2024年12月25日号(Vol.123)
スマートフォンや携帯の位置情報をオンにすると、私たちの生活は大きく変わります。迷わず目的地に到着できるマップアプリ、撮影場所が記録される写真・動画、より適切な情報を提供する各種アプリなど、便利さを実感できるでしょう。さらに、家族や友人と位置情報を共有することで緊急時にお互いの安全を確認したり、万が一の紛失時にスマホを探すことも可能です。
しかし、バッテリー消費量が増加したり、住所や現在地の流出につながる可能性があるため、スマホアプリによっては位置情報をオフにしたり、適切な設定が必要です。端末やモバイルアプリの利用規約をしっかり読み込み、自身の位置情報が不適切に利用されないように自己管理することが重要です。
ビジネスの世界では、店舗案内やジオターゲティング広告、配送サービスなど、位置情報を活用したサービスが次々と開発されていて、今後ますます便利な世の中になっていきます。
私達の生活において必要不可欠な役割を果たす位置情報。仕組みや活用方法を理解することで、より便利で安全なデジタルライフを送ることができるでしょう。
スマホの位置情報は、現在地を把握する機能です。GPS(GlobalPositioningSystem)、Wi-Fi、Bluetooth、携帯電話の基地局などを使って、あなたの位置を特定します。位置情報は、地図アプリやナビゲーションアプリ、天気予報アプリなど、様々なアプリで活用されています。
位置情報をオンにする利点としては、以下のようなものが挙げられます。
• 地図アプリやナビゲーションアプリで現在地を表示し、目的地までの道順を案内してくれる。
• 天気予報アプリで現在地の天気を表示してくれる。
• 近くのレストランやお店を検索してくれる。
• 友達と現在地を共有できる。
しかし、位置情報をオンにすることで、プライバシーが侵害される可能性があります。そのため、位置情報をオンにする際は、以下の点に注意が必要です。
• どのアプリが位置情報にアクセスできるかを確認する。
• 必要のないアプリには位置情報のアクセスを許可しない。
• 位置情報の利用履歴を定期的に確認し、不要な履歴は削除する。
位置情報のオン・オフの設定方法は、iPhoneとAndroidで異なります。詳細は後述します。
位置情報をオンにすることで、以下のように様々なメリットを享受することができます。
• マップアプリでの現在地取得
現在地を正確に把握できるため、道に迷うことなく目的地までたどり着くことができます。
• 写真や動画の撮影場所記録
撮影した写真や動画に位置情報が記録されるため、後から撮影場所を確認することができます。
• 各種アプリでの位置情報活用
位置情報を利用することで、天気予報やニュースなど、様々なアプリがより便利に利用できるようになります。
• 家族や友人との位置情報共有
位置情報を共有することで、家族や友人と現在地を把握し合えるため、安心感を得ることができます。
• スマホ盗難・紛失時の位置情報活用
万が一スマホを盗難や紛失した場合でも、位置情報を利用することで追跡することができる可能性があります。
このように、位置情報をオンにすることで、日常生活の様々な場面で便利で安全に過ごすことができます。
位置情報機能をオンにすると、マップアプリで現在地を簡単に取得することができます。
具体的には、位置情報サービス(GPS、Wi-Fi、携帯電話基地局など)を利用して、あなたのデバイスの位置を特定します。マップアプリでは、この情報を使用してあなたの現在地を表示し、周辺の情報を提供します。
位置情報を活用すれば、写真や動画の撮影場所を簡単に記録することができます。
位置情報サービスがオンになっていると、カメラアプリで撮影した写真や動画に自動的に位置情報が記録されます。位置情報は写真のEXIFデータや動画のメタデータに保存されるため、後で確認することができます。
写真や動画の位置情報は、以下のように様々な方法で確認することができます。
• 写真アプリ:多くの写真アプリは、写真の詳細情報に位置情報を表示する機能があります。
• 地図アプリ:地図アプリに写真や動画をドラッグアンドドロップすると、撮影場所が地図上に表示されます。
• オンラインストレージサービス:GoogleフォトやDropboxなどのオンラインストレージサービスに写真をアップロードすると、位置情報が自動的に検出され、地図上に表示されます。
位置情報は、写真や動画をより思い出深いものにすることができます。旅行先での思い出や、家族との大切な瞬間を位置情報とともに記録することで、いつでも鮮明に思い出を振り返ることができます。
位置情報を記録した写真は、SNSに投稿する際に注意が必要です。プライバシー保護のため、公開範囲を限定したり、位置情報を削除してから投稿することをおすすめします。
家族や友人と位置情報を共有することで、お互いの居場所を確認でき、安心感を得ることができます。また、待ち合わせの際に迷うことなく、スムーズに合流することができます。
位置情報を共有する方法には、以下のものがあります。
• スマホ標準機能:
iPhoneでは「友達を探す」、Androidでは「緊急情報」機能を使用することで、家族や友人と位置情報を共有することができます。
• アプリ:
LINEやFacebook Messengerなどのアプリでは、チャット機能を使って位置情報を共有することができます。
また、Googleマップなどのマップアプリでは、現在地を共有することができます。
位置情報を共有する際には、以下の点に注意が必要です。
• 相手が情報共有を許可しているか確認する:相手の同意なしに位置情報を共有することは、プライバシーの侵害になる可能性があります。
• 共有する期間を限定する:位置情報を常に共有する必要はありません。必要な時だけ共有するようにしましょう。
• バッテリーの消費量に注意する:位置情報を共有すると、バッテリーの消費量が増加します。
家族や友人と位置情報を共有することで、安心感を得たり、待ち合わせをスムーズに行うことができます。緊急時や災害時に子どもの場所や大切な人の安否を確認したりすることもできます。
スマートフォンやアプリケーションのGPS位置情報をオンにすると、さまざまなメリットを得ることができます。そのひとつに、盗難や紛失時に役立つ機能も備えていることをご存知でしょうか。
位置情報がオンになっていれば、紛失・盗難されたデバイスの位置を特定できる可能性が高まります。スマートフォンには、デバイスを探す機能が搭載されており、デバイスの位置を地図上で表示し、音声を鳴らしたり画面をロックしたりすることも可能です。
また、盗難対策アプリも有効です。これらのアプリは、デバイスの位置情報を常時監視し、不審な動きを検知すると通知を送信したり、デバイスを遠隔操作でロックしたりすることができます。
主なメリットは、以下の通りです。
• 紛失・盗難されたデバイスの位置を特定できる
• デバイスを探す機能や盗難対策アプリと連携できる
• デバイスの遠隔操作によるセキュリティ強化が可能
ただし、位置情報を活用する際は、セキュリティにも注意が必要です。信頼できるアプリのみを使用し、不必要な位置情報へのアクセスは許可しないようにしましょう。
スマートフォンでは、さまざまなアプリや機能で位置情報を利用しています。位置情報をオンにすることで、より便利な機能を利用することができます。
iPhoneとAndroidでは、位置情報のオンにする手順が少し異なります。
▼ iPhoneでの設定方法
• 設定アプリを開きます。
• 「プライバシー」をタップします。
• 「位置情報サービス」をタップします。
• 位置情報サービスをオンにします。
• 位置情報を取得するアプリを選択し、許可レベルを選択します。
▼ Androidでの設定方法
• 設定アプリを開きます。
• 「位置情報」をタップします。
• 位置情報をオンにします。
• 位置情報を取得するアプリを選択し、許可レベルを選択します。
スマートフォンやアプリのGPS位置情報をオンにすると便利ですが、注意すべき点もあります。
位置情報をオンにすると、常に位置情報を取得するためにバッテリーを消費します。 また、位置情報は個人情報に該当するため、アプリやサービスに許可なく提供すると、住所や現在地の流出につながる可能性があります。
これらの点に注意して、位置情報をオンにするかどうかを判断しましょう。
スマホのGPS位置情報は、ビジネスにおいて色々な業界でさまざまな活用方法があります。
• マーケティング:位置情報を利用して、ユーザーに関連する広告を表示したり、店舗への誘導をしたりすることができます。
• 物流:配送ルートの最適化や、配送状況のリアルタイム把握に役立てることができます。
• 観光:旅行者向けのおすすめスポット情報や、観光案内を提供することができます。
• 労務管理:従業員の勤怠管理や労働時間管理に活用されています。
位置情報の活用にあたっては、ユーザーのプライバシー保護が重要です。GPS位置情報を秘匿化したり、統計的に加工したりすることで、個人を特定できない形で情報を活用することが求められます。
GPS位置情報は、ビジネスにおいて大きな可能性を秘めています。今後、さらに活用方法が広がっていくことが期待されます。
スマホのGPS位置情報は、実店舗を運営するビジネスにおいて、顧客とのコミュニケーションを円滑にする強力なツールとなります。
顧客が店舗の近くに来たタイミングで、お得なクーポンや新商品の情報をプッシュ通知で配信することができます。これにより、顧客の来店を促進し、購買意欲を高めることができます。
さらに、店舗内の混雑状況やイベント情報をリアルタイムで提供することができます。これにより、顧客は来訪前に情報収集することができ、スムーズな来店体験を実現できます。
また、顧客の位置情報をもとに、年齢や性別などの属性情報を推定し、ターゲットを絞り込んだマーケティング施策を展開することができます。これにより、より効果的な広告配信やプロモーションを実施できます。
GPS位置情報は、顧客とのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、店舗運営の効率化にも役立ちます。
たとえば、顧客が実際に来店した経路や時間帯を分析することで、最適な店舗配置や営業時間の設定を行うことができます。
さらに、顧客が店舗内でどのような行動をとったか分析することで、より顧客満足度の高いサービスを提供することが可能となります。
このように、スマホのGPS位置情報は、実店舗を運営するビジネスにおいて様々なメリットをもたらします。
ジオターゲティング広告とは、GPS位置情報を利用して、特定の地域にいるユーザーに広告を表示する手法です。
ユーザーが利用するデバイスのGPS機能が有効になっている場合、その位置情報を取得して、その位置情報に関連する広告を表示することができます。
ジオターゲティング広告の利点は、ターゲティングの精度が高く、コンバージョン率が高い、ブランド認知度の向上といった点が挙げられます。
例えば、飲食店は、店舗周辺にいるユーザーに広告を表示することで、来店を促すことができます。
小売店は、特定の地域で販売促進キャンペーンを行う際に、その地域のユーザーに広告を表示することで、キャンペーンの認知度を高めることができます。旅行会社は、旅行先を検討しているユーザーに、旅行先に関する広告を表示することで、予約を促すことができます。
ジオターゲティングにつ広告いて詳しく解説した記事はこちら
スマホの位置情報を活用することで、配送サービスはより効率的に運営できます。
例えば、配達員はリアルタイムに自分の位置情報を把握し、最適なルートで目的地まで向かうことができます。また、配達先住所の特定にも役立ちます。
配送会社は、配達員の移動状況をリアルタイムに把握することで、配送状況を正確に把握し、顧客に最新情報を提供することができます。また、配達員の効率的な配置や配送ルートの最適化にも役立ちます。
近年、ドローンを使った配送サービスも登場しています。ドローンは配送員のように道路状況に影響を受けることなく、より効率的に目的地まで向かうことができます。ドローンにも位置情報機能が搭載されており、安全かつ正確な配送を実現しています。
位置情報は、物流業界のさらなる効率化と顧客サービスの向上に貢献するでしょう。
GPS位置情報は、個人情報保護の観点から秘匿化や統計加工が必要とされています。秘匿化とは、個人を特定できないように情報を加工することです。統計加工とは、個人を特定できない形で、統計データを作成することです。
我々生活者の位置情報を取得している企業は、プライバシーや情報保護に配慮して秘匿化や統計加工を行った上で、ビジネスに利用しています。
秘匿化・匿名加工されたGPS位置情データの活用例として、商圏分析やエリアマーケティングという世界があります。
そこでは地理情報システム(GIS)という地図上にデータを重ねて分析するシステムで用いられることが多く、GPS位置情報データを利用してより精度の高い商圏分析を行うことができます。
具体的には、以下のような分析が可能です。
• 店舗周辺の滞在人口分析
• 店前通行量調査
• 来訪店客分析
• 競合店分析
• ジオターゲティング広告
これらの分析結果をもとに、出店場所の選定やマーケティング戦略の立案を行うことで、ビジネスの成功率を高めることができます。
具体的な商圏分析・エリアマーケティング事例が知りたい方は、以下の別記事をご参照ください。
• 【商圏人口の調べ方とは?】出店分析や売上予測に役立つ調査方法を解説!
• 【ジオターゲティング広告とは?】事例・効果的な実施方法、大公開
• 【人流データとは?】その種類や業界別活用事例、海外事例など|オープンデータも紹介
スマホやアプリのGPS位置情報をオンにすると、様々なメリットが得られます。
<メリット>
• マップアプリで現在地を取得
• 写真や動画の撮影場所を記録
• 各種アプリで位置情報を活用
• 家族や友人と位置情報を共有
• スマホの盗難・紛失時の位置情報活用
一方で、留意点も存在します。
<留意点>
• バッテリー消費量が増加
• 住所や現在地の流出に注意
また、GPS位置情報は、様々なビジネスシーンで活用されています。
<ビジネスでのGPS位置情報活用例>
• 店舗案内
• ジオターゲティング広告
• 配送サービス
• 商圏分析・エリアマーケティング
これらの活用例は、位置情報搭載の商圏分析GIS(地理情報システム)を用いて実施されることが多いです。
ただし、位置情報は個人情報に該当するため、秘匿化や統計加工を行うことが重要です。
スマホやアプリのGPS位置情報は、便利な一方、留意点も存在します。メリットとデメリットを理解した上で、適切な利用を心がけましょう。
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監修者プロフィール市川 史祥技研商事インターナショナル株式会社 執行役員 マーケティング部 部長 シニアコンサルタント |
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医療経営士/介護福祉経営士 流通経済大学客員講師/共栄大学客員講師 一般社団法人LBMA Japan 理事 1972年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。不動産業、出版社を経て2002年より技研商事インターナショナルに所属。 小売・飲食・メーカー・サービス業などのクライアントへGIS(地図情報システム)の運用支援・エリアマーケティング支援を行っている。わかりやすいセミナーが定評。年間講演実績90回以上。 |