導入事例レポート
株式会社読売IS様
- 本社所在地
- 東京都中央区日本橋人形町3-9-1
- 事業概要
- 折込広告のトータルサービス、マーケティング、デジタル戦略提案・運用、イベント・セールスプロモーション、メディアプランニング・メディアバイイング、クリエイティブ開発等
- 公式サイト
- https://www.yomiuri-is.co.jp/
【KDDI Location Analyzer活用事例】
クライアントの声に寄り添い、試行錯誤を重ねる広告代理店の分析スタイルに
KDDI Location Analyzerの定額制や柔軟な分析条件設定がマッチ。
人流データから様々なインサイトを生み、プロモーションや現況分析に活かしていく。
地域密着型のエリアマーケティングを始め、デジタルメディア、マス媒体、交通広告やイベント等、企業のさまざまなプロモーション活動をサポートする株式会社読売IS様。クライアントの有する店舗の商圏把握や顧客分析、エリア販促提案等にKDDI Location Analyzerの人流データをご活用です。その経緯とデータ活用について、マーケティング部の西尾様と松本様にお話を伺いました。
【課題】
・数年単位で更新される公的統計だけでは、変化の激しいエリアの商圏を把握しにくく、ターゲット層を分析しづらかった。
【成果】
・鮮度の高い人流データの活用で、クライアントの店舗の来訪者の性年代、居住地等をタイムリーに把握できるようになった。
・クライアントとその競合となる店舗・施設の来訪者分析が手軽にでき、周辺の勢力図を可視化できるようになった。
→ 活用事例:顧客・ターゲット分析編はこちら
はじめに
松本様:
私たちの所属するマーケティング部では、主にクライアントとなる流通や小売業の店舗に対してのエリアマーケティングをサポートしており、店舗の商圏マーケットの把握等が主な業務としています。具体的には、大きく分けると「新規開発向けの売上予測」、「公的統計データを用いた周辺の商圏分析」を行っており、その両者を組み合わせてお客様に提供しています。
KDDI Location Analyzer(KLA)は、他の分析ツールと共にそれらの業務の中で活用をしています。
【目次】
____________________________
店舗に来るのはどんな人か、どこから来るのか。
公的統計では見えにくい “現状”が、KLAなら把握でき、立体的な商圏分析ができるように。
メディア開発本部 マーケティング部 担当課長 松本州平様(お写真左)
人流データを導入するきっかけは?
松本様:
売上予測業務に関しては、当社内で“ハフ修正モデル”を用いた吸引力の予測を長年積み重ねており、予測精度に関してお客様からも一定の評価をいただいています。
ただ、商圏分析に関しては、以前より公的統計データ(国勢調査等)を使っていますが、データの鮮度が課題でした。国勢調査であれば更新頻度が5年単位で、分析ツール上でデータが使えるようになるのは調査後1年くらいを要するので、その間のタイムラグがネックだと感じていました。
KLAは公的統計データよりも新鮮なデータが取れます。タイムリーに店舗来訪者の属性や居住地の分析ができる点に魅力を感じました。
特に、繁華街のような地区は必ずしも居住者がターゲットになるわけではないので公的統計だけでは把握しづらく、かねてよりお客様から「店舗に来訪する利用者の属性」や「どこに住んでいる人が店舗に来ているのか」を把握したいという声をいただいていました。その課題解決のために人流データに着目し、KLAの導入に至りました。
採用の決め手は?
西尾様:
他社のツールもいくつか見ましたが、まずKLAは定額制使い放題のサブスクリプション形式なのが良かったですね。 私たちは広告会社なので、お客様のご要望にそって何度も分析条件を微調整したり、試行錯誤しながら分析していくスタイルです。仕様を先に決めてデータを納品していただく方法だと合わないのですが、KLAは何回でも柔軟に分析できる点がまず第一の決め手です。
あとは、操作性。マーケティング部だけではなく営業部のメンバーにも自分たちで分析してもらうことを想定すると、誰でも気軽に利用しやすい、活用しやすいシステムが良いと思っていました。KLAは、マニュアルを読まずとも感覚的に操作できるので、使いやすさの面でも決め手になりました。
また、技研商事インターナショナルの商圏分析GIS「MarketAnalyzer®(MKA)」を長く使っているのですが、特にカスタマイズをしなくても、KLAで抽出した人流データをMKAにシームレスに取り込めて、より高度なエリア分析ができることも導入理由のひとつになります。
実際に使ってみてどうでしたか?
松本様:
まず、データの鮮度を実感しています。
例えば高級住宅地にある学生街等だと、統計データで見るとシニア層が多く出てくるところ、KLAで昼間の人口を見ると断然20代が多くでて、より実際に近い商圏の把握ができていると感じます。フレッシュなデータにより、これまでは見えなかった立体的な分析ができるようになりました。
KLAで一番活用が多い「新規出店時の現状分析」。
競合店舗と自社店舗の集客できているエリアを可視化するKLAで
店舗のパワーバランスの把握が容易に。
西尾様:
KLAを使うことで、周辺の競合店舗を含めたお客様の店舗の勢力図が明確に見えるようになりました。
ハフモデルでの売上予測では、あくまで魅力値(変数)が売り場面積になりがちです。実際に店舗が持っているソフト面の魅力といいますか、実際のパワーを知る手段がなかったのですが、KLAでは複数店舗において来訪者居住地分布が出せるため、それぞれの店の集客エリアが細かな粒度で可視化でき、既存店舗の現状のパワーバランスが見えるようになりました。
ハフ修正モデルで算出した売上予測だけでなく、KLAで競合店舗とのパワーバランスが見えるレポートもプラスすることで、お客様からの評価が高まります。実際に、今後出店を考えているマーケットの現状はこうなっているというのを勢力図で確認できるというのは、かなりインパクトが大きいと思います。
※画像は読売IS様の分析画面ではありません。
松本様:
商業施設等のリニューアル前後や、強い競合店舗が参入してきた前後など、定点観測をしてどの程度商圏に影響があったとか、このテナントを入れることで来訪者の属性が変わったとか、そういった資料を作成する際にも、KLAを使っています。
プロモーションのエリアや構成を企画する際も
KLAでイベントの前後で来訪者分析を積み重ねることで、PDCAをまわし施策の精度を高めていく。
店舗の商圏把握以外にも、ご活用の領域はありますか?
西尾様:
広告提案、特にプロモーションエリアの選定等でも活用しています。
例えば、遊園地やレジャー施設等では毎年シーズン毎のイベントがありますが、そういった普段よりも集客が見込める施策の際に、「実際にどこから人が来ているか」を明確に知ることはプロモーションの企画で肝となります。
KLAでイベントの前年の同期間、同時間帯で来ている人の居住地を見たうえで、今年度の集客施策に活かすようにしていますし、イベント終了後は実際に来た人の分析をして効果検証をする、そうした良いPDCAサイクルをまわせていると思います。
百貨店でも、集客力のある催事イベント等は通常の商圏よりも広がりがありますが、KLAがあれば実際にどこから来ているのか、リアルな商圏を図ることができるので重宝しています。プロモーションのエリアや構成を企画する際に役に立っていると思いますね。
※画像は読売IS様の分析画面ではありません。
松本様:
新店オープン時など、基本的に既存店ではない状況の際は集客エリアを分析しにくかったのですが、KLAで近隣にある類似店舗の商圏や来訪者の属性を見ることで、プロモーションのエリアや媒体選定にも役立てられるようになりました。また、広告領域でも活用しています。最近はエリアをセグメントして配信できるため、小売店舗等でWeb広告の提案をする際にもKLAの来訪者分析を使っています。
自社だけでなく競合の客層・客足も同じ条件で把握できるのは、位置情報データならではのメリット。
ここは、クライアントからの評価が一番高いところです。
クライアントからの評判は?
西尾様:
競合店舗の分析ができる点は、高く評価されますね。
自社店舗の分析はどのお客様もやってらっしゃいますが、競合店舗の分析となるとハードルが上がります。ベンチマークしている競合店舗も自社店舗と同じ基準で分析しようと思うと、位置情報データが無いとなかなかできないですし、分析結果を地図で分かりやすく可視化できる点も喜ばれます。「イメージ通り」という声もありますが、それをきちんとデータで証明されるという点で評価をいただいています。
また、日別や週別の人流推移を見ることができる点も評判がよいです。これも自社の施設は計れたとしても、競合のそれはなかなか把握できません。KLAなら、自社・競合問わず店舗や施設の人流を手軽に調査できるため、レポートにまとめると興味深くみていただけます。
松本様:
分析の仕様や細かな条件を柔軟に設定できる点も助かっています。
分析地も、単純に商業施設や店舗の敷地全体が対象になるのではなく、ジオフェンスで細かく設定できるので、商業施設の中でも、店舗のはいっている施設と公園との併用率だとかも分析できます。「近くの公園でイベントがあった時に施設の来訪者も増えている」等のデータも取れる点は、KLAの優れているところだと思います。
個々の主観ではなく、位置情報データという客観的な共通言語があることで
部署をまたぐ意思決定もスムーズに。
松本様:
同じ条件で収集した位置情報データを地図に分かりやすく可視化できるメリットは、部門をまたぐような場面での意思決定においてもメリットがあると感じます。
ひとつのプロジェクトでも、担当が複数の部門に分かれており、船頭が何人もいるような状況も少なくありません。様々な部門が持つハウスデータで顧客の分布等は見てはいるものの、それぞれで少しずつデータの見方、捉え方が違ったりすることはよくあるので、共通認識を持ちにくいといった課題はあるのではないでしょうか。
KLAでは、店舗来訪者データを地図上に可視化できるので、地域ごとの集客の強弱も視覚的に見られて非常に分かりやすくなります。結果、部門を超えた意思統一が図りやすいのかな、という印象は受けますし、実際そのような声をお客様よりいただくこともあります。個人の主観ではなく客観的なデータなので、根拠づけやエビデンスともしても使いやすいですね。
今後の展望について
西尾様:
今は、KLAで取ったデータをMKAで地図に取り込んだり、属性をレポートでまとめたりといった使い方がメインですが、KLAのデータはMKAに直接インポートできるので、今後はKLAの人流データを使ってMKAの高度な顧客分析機能で活用するといったこともやっていきたいと思います。
丁度、MKAの機能もアップグレードし、人流データやエリアクラスターデータを使った精緻な顧客のペルソナ分析機能が装備されたので、来訪者のプロフィールが確認できるようになりました。
実際の商圏に住んでいる人達の属性とペルソナの分析結果を比較することで、より深い課題が見えてきます。その辺を解決するような広告提案につなげていければと思います。
(取材月:2024年12月)
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