導入事例レポート

日本大学 理工学部 交通システム工学科 交通システム研究室

日本大学 理工学部 交通システム工学科 交通システム研究室

本社所在地
千葉県船橋市習志野台7-24-1
事業概要
教育・研究機関
公式サイト
http://www.trpt.cst.nihon-u.ac.jp/

ただ単にビッグデータを使えるというだけでなく、
それを使いやすくしてくれたのがKDDI Location Analyzer。
とことんデータ収集・分析ができ、研究を一歩前に進めてくれた。


令和5年度土木学会全国大会優秀講演者の選出と、令和6年度日本大学理工学部学術賞を受賞された日本大学 理工学部 交通システム工学科 交通システム研究室の佐藤 嘉紀様の論文に、KDDI Location Analyzerの人流データをご活用いただきました。論文ご執筆の際のデータ・システム活用について佐藤様にお話を伺いました。




〇 論文はこちら
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が都市部に おける人々の行動へ与えた影響の分析
概要:https://www.giken.co.jp/static/2025/01/overview.pdf
本論:https://www.giken.co.jp/static/2025/01/main-theory.pdf

導入の経緯について


新型コロナウイルス感染症が都市部の人々の行動へ与えた影響を、データで明らかにするというのが私の研究テーマでした。
コロナ禍では、緊急事態宣言や行動制限、自粛という言葉が叫ばれるなか、人の生活様式が変わってきたという話が出ていたかと思います。実際ニュースでは「東京駅の人出が前年比で何%減った」といったデータが頻繁に出ており、『人々の行動が自粛されている、緊急事態宣言は一定の効果がでている』などと言われていました。

そんな中、コロナ禍前後における人々の行動様式の変化を何かデータで明らかにできないかと思ったのが、この研究を始めるきっかけでした。

当時は、スポット(位置)での人流変化、例えば『〇〇駅の人流変化』といったデータは良く見たものの、人のトリップ(出発地から目的地までの移動)といった観点では、なかなか研究が進んでおらず、実際そのようなデータをオープンにしているところもない状況でした。
そこで、まずは「滞在人口」というデータに着目し、そこからコロナ禍前後における人々の動きの変化を探っていくことになりました。


日本大学 理工学部 交通システム工学科 佐藤 嘉紀様 (令和4年度当時)

研究の序盤を左右する“滞在人口データ”を、より柔軟に効率よく取れたのが
定額で自由に分析できるKDDI Location Analyzerだった。


KDDI Location Analyzer(KLA)に決めた理由は?


入手できる「人流データ」は、政府が出しているパーソントリップ調査といった公的なデータと、より新鮮なデータとして携帯電話の大手キャリアが出している位置情報データがありました。
公的なデータは直近のデータが取れない課題があったので、タイムリーに人流を分析するなら、キャリアが提供しているスマートフォンの位置情報データの活用が一番よいという結論になりました。

スマートフォンの位置情報データを活用したサービスは複数ありましたが、KLAにした一番の決め手は、定額制で地図上から直感的にデータを取得できるところです。
研究を進めていくなかで、さらに分析の手を広げたくなることは絶対にあるので、加工されたデータを提供される形式より、費用を気にせず自分でデータが取れるサブスクリクション形式があっていました。

研究の手始めとして、まずは滞在人口のデータが欲しかったので、KLAのエリアごとにCSVでデータを取得できる点(滞在人口分析)が魅力的でした。しかも、好きなエリアを好きなだけ調べられ、研究にはもってこいの分析環境でした。

地図上で調べたいエリアを指定し、時間帯や曜日別、属性別で人流が取れる。
直感的な操作で細かな分析ができるKLAは、スクリーニング調査がしやすかった。

どのような分析にご活用なさいましたか?


エリアの特性によって人流がどう変わるのかを比較するために、昼間人口が多く人々が集まる地域を「都心部」、夜間人口が多く住環境が整っている地域を「郊外部」を定義し、2つに分けて分析をしたのですが、調査対象とするエリアを決めるために様々な地点で滞在人口のデータをとりスクリーニングしました。
最終的には都心部と郊外部が混在する千葉市を対象都市としました。都心部は千葉駅周辺部、蘇我、海浜幕張、郊外部はおゆみ野、千城台、稲毛海岸を選定しました。KLAはサブスクで、しかも自分で好きなエリアを地図上で指定し、時間帯や曜日別、属性別での人流がすぐに取れるのでスクリーニングしやすかったです。


KDDI Location Aanalyzer 滞在人口データ活用イメージ
論文にてご活用いただいた滞在人口データイメージ

任意のエリアの滞在人口だけでなく、「来訪者居住地分析」を使うことで、どこから来たかという“動線”も分かるので、来訪者の出発地点を調べられ分析をスムーズに進められました。


よく使った機能は?


オプションのExcelデータは、自分で加工せずとも最初から人流データのグラフがでてくるので非常に使いやすかったです。そのまま使えるデータで、とても便利でした。

KDDI Location AnalyzerのExcelレポートオプションイメージ
Excelレポートオプションイメージ


さらに、KLAは人流データが地図上で直感的に表現されるのも分かりやすいと感じる点です。
滞在人口なら、メッシュでも可視化され人が多いエリアがどこかを直感的に把握できますし、来訪者分析も、どこから人が来たのか、地図上で町丁目単位に色分けされた状態で分かります。

KDDI Location Analyzer来訪者居住地分析イメージ
来訪者居住地分析イメージ


分析条件も細かく設定できるので、エリアをぐっと絞ったり、滞在者や来訪者の属性を絞ってみたりと、いろんな角度から分析できます。まさに、細かいところまで手が届くイメージですね。
期間だけでなく時間帯でも分けて分析できる点も、研究を進めるうえでとても使いやすかったです。

KLAは人流の属性を「来街者」、「居住者」、「勤務者」に分けて分析できますが、論文の本文には書いていないものの全部データは取らせてもらい、論文を構築するうえでのスクリーニングデータとして活用していました。
何をもって「来街者」「居住者」「勤務者」を定めているのか、当時研究室でも話題になりましたが、人流の属性について明確な定義づけがあったので安心して使えたことを覚えています。

少ない工数で、膨大な量のデータを一気に集めることができる
「拡張集計オプション」が、スムーズな研究の一助に。


複数の地点の分析データをまとめて一気に出力することができる「拡張集計オプション」は、本当によく使いました。この機能がなかったら、正直研究をスムーズに進められるほどのデータを取り切れなかったと思います。
様々な地点の人流データをひたすらまとめてCSVでとっておいたのですが、後々“とっておいたから使えた”ということも多かったと思います。

契約前も使用中も感じた、手厚いサポート。
KLAでビッグデータを手にして、研究がうまくいき始めた。


マニュアルを読まずとも直感的に使えるUIではあるものの、KLAのトライアル中に操作説明でレクチャーがあったので、使い始めも安心でした。 また、使っていく中で疑問が出た際には積極的にサポートしていただけたので有意義に研究を進めていけました。

日本大学 佐藤様(お写真右) 当社営業担当 岡村(お写真左)


研究当時を振り返ると、KLAを研究に使い始めてから研究がうまくいくようになったと思います。
膨大な量の位置情報データを元にしている点と、そのデータをわかりやすく地図上に表すことでコロナ渦前後の人々の行動を可視化できている点を評価していただき、大学の先生から「学会に出さないか」とお声がけいただきました。

ビッグデータを使えることもよかったのですが、それを使いやすくしてくれたのがKLA。
調査に行き詰まりを感じていたところ、KLAに出会い膨大なデータを手にしたことで研究をスムーズに進められたと感じております。

(取材月:2024年12月)



導入頂いたシステム

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