導入事例レポート
株式会社トリドールホールディングス様
- 本社所在地
- 東京都渋谷区道玄坂1-21-1
- 事業概要
- 「讃岐釜揚げうどん 丸亀製麺」「焼鳥ファミリーダイニング とりどーる」「とんかつ・とんテキ専門店 豚屋とん一」「美と健康のライフスタイルブランド SONOKO」などの飲食店を中心とする傘下子会社の経営管理
- 公式サイト
- https://www.toridoll.com/
GIS(地図情報システム)を活用したロジカルな店舗開発で戦略的に店舗数を増やし業績を上げているトリドール様。今回、国内事業本部の矢野様にMarketAnalyzer™導入の経緯や成果、具体的な活用法、また昨今のコロナ禍の影響によるGIS活用の変化などを伺いました。
自社・競合含めた他店舗との
カニバリゼーションを避け
“勝てる立地”を見極めるために
MarketAnalyzer™導入の経緯は?
導入の目的は、当時急拡大していた自社店舗の状況を把握して、戦略的に出店する体制を作るためです。
MarketAnalyzer™(以下、MKA)は、まず統計データを確実に取得できることが強みだと思います。決め手となったのは『出店余地エリアランキング』という機能で、これは出店エリアをロジカルに決めていくために非常に有益なものでした。
当時技研商事インターナショナルで実施していたセミナー等も見ながら、当社の目的を実現出来そうなツールだと思ったのが第一印象です。
以前、私はGISを開発する側にいたのですが、利便性と高機能の両立の難しさは開発時に感じていたことです。誰もが容易に使えるツールになると機能の幅が限られてしまうし、機能を広げすぎると使いにくくなってしまいます。その点、MKAは、”使いやすさ”と”機能の追求”のバランスがちょうど良いと感じます。自分がGISに求める”良さ”と近いものがありますね。
データを地図上に可視化すると
各店舗のデータや周辺エリアの商圏データ等をMKAを使って地図に落とし込み、出店基準に合ったエリアはどこなのかを割り出します。数字を表に並べるのではなく、地図上に可視化することで、出店すべきエリアが具体的に見えてきます。「出店余地エリアランキング機能」は、出店する店舗の吸引力や魅力値などもパラメータとして持てるのは面白いですね。
出店余地以外でも、MKAの「一括集計」できる機能は重宝します。
多くの店舗を対象にして、一括して何かしらの情報を取り出すのはハードな作業。MKAは店舗をポイントデータとして登録し、それに紐づく売上や敷地面積、統計データ等の様々な情報を一括で取得・分析できる機能があるので作業スピードが速く便利です。
出店余地エリアランキング機能(分析イメージ)
データを地図上に可視化すると
出店すべきエリアが見えてくる
どのように活用されていますか?
各店舗のデータや周辺エリアの商圏データ等をMKAを使って地図に落とし込み、出店基準に合ったエリアはどこなのかを割り出します。数字を表に並べるのではなく、地図上に可視化することで、出店すべきエリアが具体的に見えてきます。「出店余地エリアランキング機能」は、出店する店舗の吸引力や魅力値などもパラメータとして持てるのは面白いですね。
出店余地以外でも、MKAの「一括集計」できる機能は重宝します。
多くの店舗を対象にして、一括して何かしらの情報を取り出すのはハードな作業。MKAは店舗をポイントデータとして登録し、それに紐づく売上や敷地面積、統計データ等の様々な情報を一括で取得・分析できる機能があるので作業スピードが速く便利です。
国内事業本部 開発戦略室 矢野 孝良 様
テレワークでも社内と変わらない
分析環境を実現できるクラウドのメリット
導入後の評価について
MKAはクラウドタイプがあり社内外で柔軟にアクセスできるので、コロナ禍ではノーマルになりつつあるテレワーク環境でも、社内と同じクオリティで業務ができ助かっています。また、情報の横展開がしやすい点もメリットです。スタンドアローンでは、分析者がそれぞれのやり方で分析するため、元となる統計データが異なると分析結果が微妙にずれるといったリスクもありますが、クラウドタイプだと取得した様々なデータをそのまま他のPCにも横展開できるため、分析の手間も省けクオリティも均一にできます。
導入の目的である「自社競合の把握」については、明確に見える化できていると思います。『丸亀製麺公式アプリ』を通じて取得した顧客の郵便番号情報をGISで可視化すれば、リアルな商圏サイズが分かると同時に商圏のカニバリゼーションや影響なども分析できます。
また、分析レポートを容易に出力できるのも便利です。自分たちの導き出した結果を、グラフィックで分かりやすくプレゼンテーションできるので、マネジメント層へ対して説得力が持たせられますね。
都心の店舗開発は、粒度の細かいデータ・分析が必須になりますが、御社は自社開発なので当時は汎用性のなかった100mメッシュへの対応など柔軟に対応してもらえたのも評価できる点です。
外部環境の大きな変化により、過去の基準では判断しきれない昨今。
しっかりとデータを掴み、アフターコロナを見据えた新たな出店計画を。
コロナ禍により出店基準などに変化はありましたか?
コロナ禍に入って、店舗の利用のされ方が変わっています。また顧客層も変化しています。 テイクアウトのニーズが高まったことにより、今まで当社の店舗を使われていなかったお客様の来店が見られるようになったのもひとつの例です。 例えばロードサイドの店舗の場合、車でお店に来られて、ほとんどの方がイートインをされるような使われ方だったところ、テイクアウトのお客様だと”パッと来て5人分買われてすぐ帰られる”といった利用シーンも見られます。
用途ひとつを見ても、食事をするだけでなく惣菜利用のニーズもあるといったように、コロナ禍が引き起こした外部環境の変化により、今まで我々が想像していなかった状態が起こっています。それに伴い、出店基準も変わってきていますね。
チェックするデータなどの変化は?
まず、競合とプロットしている店が変わりました。例えば、今まではテイクアウトの強い業態はあまり意識していなかったのですが、今はある程度意識をしています。 とはいえイートインの利用が大半なので全てが変わるわけではないですが、統計も、世帯数やテイクアウトの需要がありそうな層を意識するなど、見るデータ項目が過去と比べて少し変化してきています。
過去の基準では判断しきれないため、MKAで統計データを分析しつつ、店舗周辺のタイムリーな人流といった動的なデータを把握できるGIS「KDDI Location Analyzer」も活用しながら、新たな分析を行っているところです。
今後の展望について
売り方が変われば、立地によって製品やサービスの価値も異なります。そういった変化を知るために、もっと顧客のニーズを細かく聞き分析に活かせる仕組みを作りたいです。これからは、得られるデータをいかに活用するかが問われる時代。出てきた数字をどう読み解くのかというとき、顧客の声は判断軸の一つになると思います。
また、コロナ禍に伴う環境の変化が出店基準にどう影響するのかを把握すべく、GISの活用頻度は以前より高まっています。変化をタイムリーに捉えていくには、統計のような静的なデータに加え動的なデータが増々重要になってきます。今後は、フレッシュなデータとGISの組み合わせをどんどん進めていきたいと思います。
(取材日:2021年7月)
動的データによるタイムリーな人流把握を店舗開発に活かす GIS活用インタビューはこちら トリドールホールディングス様には、GPS位置情報搭載型GIS(地図情報システム)「KDDI Location Analyzer」もご導入いただいています。 |
今回、導入頂いたシステム
GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™ Cloud」
高度で探索的な商圏分析が可能なMarketAnalyzer™のクラウド版(詳細はこちら)
GIS(地図情報システム)「KDDI Location Analyzer」
GPS位置情報データ搭載型の次世代クラウドGIS(詳細はこちら)
GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™ Satellite」
MarketAnalyzer™での分析結果や競合の出店状況を、社内や関係者内にて簡易に共有・閲覧を行うWEB GIS。(詳細はこちら)