導入事例レポート
株式会社プレナス様
- 本社所在地
- 東京都中央区銀座6丁目10番1号 GINZA SIX 8階
- 事業概要
- ほっともっと・フランチャイズ業
やよい軒・フランチャイズ業
MKレストラン・フランチャイズ業
食材・包装等資材の販売 - 公式サイト
- https://www.plenus.co.jp/
既存店への影響を回避しつつ、売上が見込める出店エリアの探索が、
MarketAnalyzer🄬 5を使用することで、誰でもハイクオリティでできる。
持ち帰り弁当の「ほっともっと」や定食レストランの「やよい軒」、しゃぶしゃぶと本格飲茶の「MKレストラン」を国内に2,830店舗展開(2024年4月末時点)されており、持ち帰り弁当・定食レストランのリーディングカンパニーである株式会社プレナス様。新規物件の出店妥当性審査や出店戦略の構築に、当社のGIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer🄬シリーズ」および人流分析ツール「KDDI Location Analyzer」をご活用いただいています。今回は、立地戦略部 立地戦略課 課長の松本慎二様に、MarketAnalyzer🄬 5の活用についてお話を伺いました。
→ 活用事例:人流データ編はこちら
→ 活用事例:部署をクロスするDX促進編はこちら
【目次】
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各業界への導入実績の多さに加え、
搭載されている豊富なデータや機能に対するコスパの良さに魅力を感じた。
MarketAnalyzer🄬 5導入のきっかけは?
私は、新規物件の出店妥当性審査における売上予測、自社店舗(ほっともっと、やよい軒、MKレストラン)の国内の出店戦略構築を根幹業務としています。これらの業務に欠かせないのが、多変量解析機能があり、商圏やエリアのポテンシャル・特性等を分析できる「MarketAnalyzer🄬 5(以下、MKA)」です。
MKAを導入した理由については、導入実績が多かったという安心感もありましたが、一番は、システムに搭載されているデータ量や機能を見て、コストパフォーマンスが高いと感じたことです。
ステップワイズ法を搭載し、トライ&エラーの工程数が少ない「重回帰分析機能」があったのも決め手の一つです。Excelでも重回帰分析はできますが、膨大なデータから売上と相関が高く、当てはまりのよい(回帰式に採用できる)説明変数を探し当てるのは多くの人時がかかり限界があります。GIS上で高度な重回帰分析による売上予測式が効率的に構築できるのは価値があると感じました。
※ステップワイズ法:
売上予測モデルの構築時の説明変数の選択において、統計的に最も予測率が高いと考えられる変数から順に自動的に投入される選択アルゴリズム。異常値が少なく、信頼性の高い売上予測モデルの組み合わせの算出に寄与します。(関連コラムはこちら)
MKAで抽出できるデータと自社データを駆使し、都道府県やエリア単位で分析・評価。
グルーピングして出店戦略構築に繋げる。
具体的なご活用内容について
大きくは、出店戦略構築と売上予測の2点に活用しています。
【出店戦略について】
出店戦略構築については、ブランド力、将来性、マーケット等の観点から、都道府県やエリアを『積極的に(あるいは慎重に)出店』『リロケーション中心』といったような、いくつかのグループに分け、出店の方向性やプライオリティについて分析していますが、このグループ作成の元となるのがMKAの分析データです。
また、出店戦略の一部として出店ポイントの抽出があり、「出店余地エリアランキング」機能を使っています。
具体的には、自社や競合他社をMKAにプロットし、さらに重回帰分析で求めた暫定売上予測値を全メッシュに埋め込んで、競合の影響を回避し、かつそのエリアにおける必要売上を満たすメッシュを抽出しました。重回帰分析機能を併せて活用することで、出店ポイントの精度が高まったと思います。
検索・ランキング化する「出店余地エリアランキング」機能
※画像はプレナス様の分析画面ではありません。
当社は、店舗数が多く、シンプルな円商圏(店舗から半径〇mでの商圏設定)だと、自社店舗への影響を回避できるエリアの抽出が難しく、リアリティもありません。MKAは徒歩や自転車、自動車等、様々な来店手段を想定した商圏設定ができるので、リアリティのある商圏で影響を検証しつつ出店ポイントを抽出しています。商圏設定ひとつとっても、細かくチューニングできるのはありがたいですね。
【売上予測について】
2つ目は、新規物件の売上予測での活用です。
この業務には、主にMKAの重回帰分析機能を活用しています。導入前は、基本的な商圏データやロケーションが類似した既存店舗と比較することで予測する「類似店比較」が主な予測法でしたが、導入後は重回帰分析で売上と関連性のあるデータを使った売上予測ができるようになり、さらに予測式をブラッシュアップしていくことで精度も高まっていきました。
また、店舗周辺の通行人口を抽出できる人流分析ツール「KDDI Location Analyzer(以下、KLA)」も導入していますが、KLAから取得できる通行量データを説明変数として投入すると、予測式の精度が飛躍的に向上し、予実の誤差率やR2値※が大きく改善しました。
→通行量データの活用についての詳細はこちら
※R2(決定係数/寄与率)とは
相関分析の適合度合いを表す値。重回帰分析における実測値のばらつきに対する、予測値のばらつきの割合で、重回帰式の適合性を評価する指標となる。
【出店後の振り返りレポートは、できる限りわかりやすく】
出店後は、予実誤差の要因や想定商圏との乖離等を検証して「レポート」を作成し、関連部署と共有していますが、それらの資料はすべてMKAやKLAを連動させて作っています。出店したことにより商圏がどのように変化したか、町丁目単位で地図上に可視化できるため分かりやすいです。
使いこなすポイントは、セミナーの活用。
導入当初と比べ、MKAでできることは増えている。
活用の幅を広げていくコツは?
技研商事インターナショナルで開催している定期セミナーには、よく参加しています。
自分たちの課題が講演テーマと重なっていることが多々あり、具体的な操作やデモンストレーションが見られるので、自分でもトライしやすいです。セミナーから得た知識を自分の業務にどう活かせるかを考えていたら、自然と用途も広がっていきました。
導入当初は使いこなすのが難しかったのですが、長く使って慣れてくると、システムが体系化されているのか、「こういうこともできるんだ」という気づきがいくつもあり、奥が深いなと感じますね。
新たに消費者のライフスタイルデータを導入。
今後、店舗来訪者のデータと組み合わせて顧客のペルソナを探っていく。
【今後の展開について】
最近、消費者のライフスタイルがわかる『生活意識データ』を導入しました。使い始めてまだ間もないですが、面白いデータだと感じます。出店・改装時など、KLAで町丁目毎の店舗来訪者の増減などを見ていますが、増減したエリアの生活意識や購買傾向がどうなっているのかもこのデータを使って調べてみました。
※画像はプレナス様の分析画面ではありません。
例えば、ほっともっとで従来と販売方法を変更した仕様に改装した店舗は、来訪が増えた層は「SNSやネットをよく利用している」といった傾向が高かったり、 減った層は「昔ながらの付き合いを大切にしている」が高かったり。もちろん、すべてが当てはまるわけではないですが、少しリフト値があがったりして、ざっくりとした傾向が透けて見えてくるといったイメージですね。今後、活用法をブラッシュアップしていきたいと思います。
(取材月:2024年4月)
■ GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer🄬 5」
【探索的かつ高度な分析に対応】ビッグデータ時代の商圏分析・エリアマーケティングシステム(詳細はこちら)
■ GIS(地図情報システム)「KDDI Location Analyzer」
【GPS位置情報データ搭載】定額制セルフ分析システム(詳細はこちら)
■ GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer🄬 Satellite」
基本の商圏分析・情報共有ツール(詳細はこちら)