導入事例レポート
株式会社 電通tempo様
- 本社所在地
- 東京都新宿区市谷本村町2-21
- 事業概要
- 【CREATIVE】折込チラシ・カタログ・DMなどテーブルメディアの企画・制作・印刷。店頭装飾・ツール開発・キャンペーン・イベントなど販促の企画・制作。
【PROMOTION】経常販促および個別販促、メーカー販促の企画立案・施策実施。キャンペーン・イベント・サンプリング・webプロモーションなど販促の企画・実施。
【DIGITAL SOLUTION】web・モバイル関連すべての領域の企画・実施。各種バナー、動画、デジタルサイネージ等のデジタル販促物の企画・制作。ジオターゲティング広告、デジタル関連領域の運用代行。キュレーションサイトの運営(取材・編集・デザインアップ)。SEO対策。
【STRATEGIC PLANNING】流通知見を活かしたマーケティング、365日の暮らしの中から抽出した消費者インサイトからのプランニング。「キザシ発掘Lab」の実施。
【MEDIA】新聞折込広告のエージェンシー機能に加え、ポスティング、同梱媒体、店頭メディア等のオフラインメディアの取扱い。最適なバランスでオフラインメディアとデジタルソリューションを組み合わせたon-off統合プロモーションの提供。 - 公式サイト
- https://www.dentsu-tempo.co.jp/
店舗の客足・客層を把握し、販促プランニングを精緻化。
属性や時系列、昨年対比、競合比較と、
KDDI Location Analyzerなら、何度でも納得いくまで調べられる。
流通・小売業など、リテール事業型を展開する企業のマーケティング・プロモーションを主な事業とされる電通tempo様。2020年よりKDDI Location Analyzer(以下、KLA)を導入され、折込チラシの配布エリア最適化や、キャンペーン・イベント前後での集客施策の効果測定、それを基にした更なる改善提案などに活用されています。この度、導入の経緯や活用内容について、メディアプロデュース室データビジネス開発部データマーケターの山本孝様にお話しを伺いました。
【課題】 | 【効果】 |
都度購入型の位置情報データは手間やコストがかさむため、 納品データを見た後で、別のエリアや条件で比較するといった 柔軟な分析がしにくい。 |
定額制・使い放題のKLAは、エリアや条件を自分で設定 できるため、仮説検証のトライアンドエラーを繰り返し行えて、 さらに競合店舗の調査も気軽にでき、分析の幅が広がった。 |
山本様のお仕事内容について
当社は、店舗を持たれているリテールのクライアント様とのお付き合いがメインとなります。入社当初は、店舗の装飾や販促物の制作等、店舗のマーケティングを幅広く担当していましたが、広告がデジタルにシフトしてきたタイミングで、主にデジタル広告のレポーティング等に携わるようになりました。現在は、主にKLAを活用した商圏分析の作成、日別の人流データ作成、折込チラシのプランニングを担当しています。
KLAなら、抽出したデータを見ながら、エリアや条件を変えつつ、
クライアントが納得いくよう、分析を深掘っていけると感じた。
KLA導入の経緯は?
当社は、位置情報を使った分析をクライアント向けの販促プランニング等に活用しています。最初は都度購入型の位置情報データを活用していましたが、追加の分析や、クライアントの競合店の分析もやりたいとなるとコストがかさむため、サブスクリプション型のKLAへ移行しました。
納品されたデータが想定と違っており、「これだけでは説明しきれない」となることがありますし、データを見たときに、「別のエリアや時期はどうだったのか」といったように、違う角度で分析したくなることも少なくありません。データ購入の手間とコストは、大きなネックでした。
KLAを導入してからは、自分で自由にデータの抽出条件を設定でき、何度でも調べられるため非常に重宝しています。
リテール事業はとにかくスピーディな意思決定が求められます。極端な話、今日出したデータを基に明日のチラシの数字が変わるというような世界です。KLAはすぐにデータが取れて、次の日には提案できる点も役に立っています。
また、データや分析の世界も移り変わりがすごく早いので、現状だけでなく、システムやベンダー自身も常に進化しているかも採用のポイントでした。実際、KLAは次々と新機能が追加されており、顧客の声を活かして常に改善している印象です。進化の面からみても安心できますし、今後に期待する点でもあります。
どんな業務に活用されていますか?
クライアントへ販促施策を提案するタイミングで使います。また、セールやキャンペーンが終わった後の効果測定と、次の施策企画時の根拠づくりにも活用しています。つまりPDCAのプロセス全般です。
私は、KLAで抽出した位置情報データを、GIS(地図情報システム)等の他のツールで加工し、“クライアントの店舗を中心に、販促施策が実際に店舗の来訪にどう影響しているのか”を地図上に可視化し、提案資料として活用しています。
データを加工していると、「絶対、お客様とここが論点になるな」といったポイントが出てくるのですが、KLAは定額なので費用を気にせず事前に調べ尽くすことができるのもありがたいです。
販促施策の影響や、競合店舗との比較など
客観的な数字で説明できる点が、クライアントの納得感を生む。
クライアントからの評価は?
チラシ配布期間の前後で店舗来訪者のボリュームを比較できる点は、一番評価いただけます。KLAの位置情報データと当社のGIS(地図情報システム)を活用し、チラシを配布した期間にクライアントの店舗に来た人が増えた地域、減った地域などを地図上に色分けして具体的に示した資料を作るのですが、「やはり店舗の足元を中心に来店が増えている」といったことがデータに基づいて説明でき、お客様も納得がいく形で提案を進められます。
また、近隣の競合店舗と自店舗に来訪する人を比較できる点も、クライアントの興味を引く点です。
例えば、販促施策に対する競合の影響度合いを知りたいとき等、競合店舗に来訪している人とクライアントの店舗に来訪している人の居住地を重ね合わせて、あまり重複がなかったりすると、外的な要因(競合の影響)は低そうであるという仮説に説得力が増します。
こうしたデータは、販促施策のPDCAをロジカルに回す上でとても重要です。
KLAのデータを初めて紹介したクライアントからは、「こういうデータは見られる?」「ああいうデータは取れる?」と、どんどん要望が出てくるので、やはりこうした位置情報活用のニーズは高いのだな、と感じます。
KLA導入前、広告の効果測定などはどうしていましたか?
クライアントがもっているID-POS、会員データを使って効果測定をしていました。
折込チラシは主に年配層に向けた媒体なので、まだ今のようにスマホ全盛期ではなかった時代は、会員データに絞った効果測定でも成り立っていましたが、デジタル広告も広がっている今となっては、顧客のデータだけでは測りきれません。来訪しているが会員ではない人もたくさんいるので、来訪者全体を分析できるメリットは大きいです。さらに、KLAだと競合店舗との比較も容易にできますし、これはクライアントも驚いていたところですね。
KLAのデータが実際どれほど現実と近い数字になっているのか、以前具体的な地点で調べたことがあるのですが90%以上合致していました。
また、KLAは、店舗来訪者の性別や年代も分かりますが、デジタル広告を打つと20代~40代が増えていたりと、割とデータで正直に出てくる印象があります。私自身、このツールを使っていて「なんで、この数字が出ないのだろう」と思ったことはあまり体感したことがないですね。
※電通tempo様の実際の分析画面ではありません
データに基づいた明確な効果測定により、
プランニングをより具体的かつ戦略的に進められる。
KLAデータの活用により、次の打ち手が変わったことはありますか?
とあるクライアントでのことですが、昨年チラシを配布した期間の前後で、店舗来訪者数の他にも、どこから来ているかといったリアルな商圏を計測したところだいたい半径5㎞以内くらいでした。昨年は10㎞商圏程度までチラシを撒いていたのですが、KLAのデータを見て5㎞に圧縮し無駄打ちを減らせたことがあります。
また、ファミリー層に来店して欲しいというクライアントの場合ですが、KLAと当社のGISを活用し、0~14歳がたくさん住んでいるけど、その店舗への来店が少ないエリアを抽出したところ、チラシ配布エリアの外側に、そのエリアが見つかりました。飛び地になっても、そのエリアも配布したほうがよいことが明確に分かった例ですね。
折込チラシは一般的には固まったエリアで配布されますが、このようにデータを駆使して優先エリアを選定するので私のつくる配布エリアは飛び地が多いです(笑)
今後の展望について
分析結果から、より精度の高いプロモーションプランの提案ができるようにしていきたい、というのは日々考えていることです。
プロモーションをオンオフ問わず、クライアント毎の特性に合わせいかに最適化できるかという事が最も大切なので、KLAを活用して、より統合的に根拠のある提案をしていきたいと思います。
今後コロナが落ち着いてくると人の動きももっと活発になります。そうすると、イベントスペースを借りてポップアップストアを出したいといったクライアントのニーズが高まってきますし、実際にそのようなご要望もいただきます。
ポップアップストアのような小さなスペースを短い期間で調べた際も、ある程度のボリュームで性・年代別のデータが取れるようになるとありがたいですね。
どうしても、一般的に位置情報データは小さな場所で、かつ短い期間でのデータですと絶対的なボリュームがでにくく、計測しづらい傾向がありますが、この辺も技研商事インターナショナルの持つ知見や推計ノウハウを活かして、測れるようになるといったDXが進むことを期待しています。
(取材月:2022年6月)