導入事例レポート
大和ハウス工業株式会社様
- 本社所在地
- 大阪府大阪市北区梅田3丁目3番5号
- 事業概要
- ・建築事業(住宅等の企画・設計・施工・販売/商業施設、物流施設、医療・介護施設、法人施設の企画・設計・施工・リフォーム)
・都市開発事業(宅地・工業団地の企画・設計・施工・販売、再開発事業)
・海外事業(不動産開発事業)
・その他(環境エネルギー事業、医療・介護ロボットの販売等) - 公式サイト
- https://www.daiwahouse.co.jp/
医療介護福祉施設の建設を受注する前段階で重要となる“市場調査”において、MarketAnalyzer™を活用しロジカルに進めていらっしゃる大和ハウス工業様。
今回、会社全体の医療介護福祉分野のプラットフォーマーとして、各事業所に対し営業支援や情報集積・発信を行う医療介護支援室の室長である上野聖様に、MarketAnalyzer™の活用や業務におけるデータ活用の必要性等についてお伺いしました。
はじめに、上野様のお仕事内容についてお聞かせください。
全国にある大和ハウス工業の各事業所に対し医療介護福祉施設の受注支援を行うことがメインで、主には“営業同行支援”と“新規情報提供”を行っています。
様々な事業の種類がある医療介護分野において、事業提案や試算表の説明、設計補助や市場調査、金融機関の紹介など、幅広い支援業務を行います。また、各事業所に対し情報(新しい案件)を提供することも業務のひとつ。そうした支援を通じ、全社および各事業部に対し部門間の連携を取っていく役割を担っています。
新たにお客さまのフォロー業務にもとりかかっており、医療介護という専門分野に対して様々なノウハウや情報を提供することでお客様の満足度を高めることも、我々のミッションのひとつとなっています。
施設を建てるという大きな投資に対して
お客さまが判断しやすいよう、エリアの現状や
将来を見据えた納得感のある提案を。
どのような業務にご活用ですか?
我々は医療機関様や民間の介護事業者様に対して、病院や診療所、介護施設や高齢者向け住宅といった何億円、何十億円規模の建築を受注する立場です。建築物として高品質なものを提供するのは当たり前ですが、どこに建てるかという検討も非常に重要です。大きな投資をして建物を数十年使っていくことを考えると、我々のアドバイスも重要になります。
そこで、建物の計画について、その場所に何十年も在り続ける価値があるのか、このエリアでの事業が果たして持続可能なのかを明らかにするために必要になるのが、このエリア分析システムMarketAnalyzer™です。
どんなデータを見ていますか?
具体的には、建設を検討しているエリア周辺の人口動態や要介護認定者数、周辺の医療機関や介護施設のデータ等です。このようなデータを活用して外部環境を分析しながら、テナントとなる医療介護事業者様や土地活用を検討されている地主様に対しての提案に役立てています。
クリニックのケースですと、例えば新規開業に適した物件を提案する際に、競合となるクリニック等の状況や集患の見込みをMarketAnalyzer™で可視化できますし、新規出店を検討している介護事業者様に対しては、昨今の人口減のなかで、現在も将来も十分な従業員を雇えるか否かといった調査も可能です。
また、土地活用を希望している地主様や、事業融資をする金融機関様に対してもアプローチをしますが、どういう特色の土地で、どういう事業をすると将来性があるといった見定めも本システムで行っており、両者に対し納得感のある提案ができていると思います。
出店や開業エリアについて、また自分の土地で行われる事業において、当事者の皆様が迷われる疑問や不安点を先回りして分析し、懸念点を払拭するようなデータとともに提案することで、ビジネスの意思決定がロジカルかつスピーディに進められます。そうした意味で、MarketAnalyzer™は我々の業務の中で建設地を決定させる大きな武器だと思っています。
活用のメリットや評判は?
行政等から一般公開されている統計資料を見るだけでは、そのエリアの周辺が現在どういう状況になっているのか、そういった情報がなかなか見えてきません。その点、MarketAnalyzer™は地図上に様々なデータを可視化できるので、“行政区内全体”ではなく“自分の土地・検討中の土地”を中心としたもっと踏み込んだ分析ができます。こうしたピンポイントな視点で周辺エリアを見ることで、『行政区内ではこういう状況だけど、自分たちの土地や検討中の建設エリアの周りはこういう状況』というのが分かりますし、MarketAnalyzer™はそうしたデータを地図やグラフで直感的に伝わるレポートが作れます。
こうした納得感や分かりやすさは、実際に提案先でも感じてもらっており、受注できなかった先についても、「大和ハウス工業」を認知してもらう機会を作れていると思います。
また、当社の各拠点、各事業所から市場調査の依頼が頻繁にきています。社内でも調査のニーズが高まっていることは、MarketAnalyzer™の評価を物語っているのだと思います。
データとシステムの活用で
調査業務を短縮し、説得力のある資料を標準化。
お客さまからの理解もスピーディに得られるように。
活用前後の違いは、客観的な数値や様々なデータをもってお客さまに説明できる点が一番大きいです。市場調査のレポート作成の効率や精度はグッと上がりました。
昔は人口動態や周辺の競合先などをネットや本等で調べつつ、手作業で資料をまとめるというスタイルでした。資料の形式やクオリティも担当者によりバラつきがあり、1つの物件に1~2日かかることも当たり前でした。MarketAnalyzer™があればそうしたデータがすぐに取れ、出力されるレポートも直感的なビジュアルで見やすいため、説明する我々にとっても、お客さまにとっても分かりやすい資料が容易に作れます。
以前より時間や労力をカットでき、かつファクトに基づく高水準の資料作成を標準化できるというメリットもあります。MarketAnalyzer™1つで全国の事業所の調査ニーズを短時間でカバーできるため、担当者1人で対応できるようになったことは非常に画期的だと感じています。
今後の展望について
医療介護というジャンルは社会的なニーズも高く、将来性もあります。また、本業界への新規参入も活発になり競合も増えるなか、他社と比べどう差別化し提案を強化していくかは大きな課題です。データや事実に基づく提案は説得力が違うため、漠然ではなく数値化して物事を判断することはますます重要になります。
MarketAnalyzer™では動的な統計データをメインに見ていますが、コロナ禍に入りエリアを取り巻く環境が大きく変わる中、新たにGPS位置情報ビッグデータで特定エリアの人の流れをタイムリーに捉えるKDDI Location Analyzer(エリア分析GIS)の活用も始めました。これら2つのシステムを両輪に、市場調査の精度を高めていきたいと思います。
(取材日:2021年5月)
GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™ Cloud」
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