導入事例レポート
株式会社アットテーブル様
- 本社所在地
- 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号DNP市谷左内町ビル7F
- 事業概要
- 小売・食品業界を対象にした
(1)MDデザイン事業
(2)CRMデザイン事業
(3)ビジネスデザイン事業 - 公式サイト
- https://www.attable.co.jp/
統計と、ID-POS、人流、3つのデータを駆使し、
クライアントの自店、競合店を比較・分析。
顧客視点の店舗づくりをロジカルに支える。
小売や食品メーカーを中心とした食に関わる業界のコンサルティングやマーケティング支援、プロモーション支援などを行う株式会社アットテーブル様。クライアントのCRM戦略構築支援をご担当の関根様に、KDDI Location Analyzer導入の経緯と活用について伺いました。
【課題】 | 【効果】 |
クライアントの店舗と競合店との来訪者や 商圏の比較がしにくかった。 |
自店、競合店ともに、来訪者の居住地や性・年代などの属性を タイムリーに把握でき、比較やギャップの把握も容易になった。 |
関根様のお仕事内容について
小売業様をメインに、顧客・店舗・商品戦略の構築を伴走型でご支援させていただく“CRM戦略”のコンサルティングを担当しています。 具体的には、ID-POSデータの分析レクチャーや帳票の開発、ID-POSデータや位置情報データなど各種データの分析による課題策定のご支援、解決策としての打ち手・施策のご提言などをさせていただいております。最近は小売業様を中心に自社にマーケティング室をたてる動きがあるため、『そもそも小売におけるマーケティングとは』などといったテーマでケーススタディを用いて解説したり、実数値を用いて小さなサイクルから構築していくことで設立のご支援をしていくという動きもあります。
場所や期間等の設定だけで、店舗商圏内の人流を把握。
KLAなら、見たいタイミングで欲しいデータを揃えられる。
導入の経緯は?
店舗来訪者の分析をするために位置情報データが有用であると以前から考えており、上司からのススメもあってKLAを検討しました。
導入の決め手として、1つは操作性です。UI/UXが優れ直感的に使えるため、1時間教われば基本的な操作は誰でも行えるレベルです。社内で操作できる人を増やしていく際に展開しやすくて良いと感じました。今は5~6人でKLAを使っていますが、皆すぐに使えるようになっています。
2つ目は、タイムリーに人流を見られることです。クライアントから「新店や改装店の事後検証をしたい」というオーダーを多くもらいますが、だいたい開店・改装して1か月、3か月、半年のスパンで分析をします。KLAは、店舗の場所と集計期間等を指定するだけで、いつでもすぐに来訪者データやその推移がとれるので、開店後1か月のタイミングでも、見たいデータを手軽に揃えられる点がメリットです。検証レポートに反映させて重宝しています。
どのような業務にご活用ですか。
CRM戦略構築支援業務で活用しています。CRM戦略構築を進める中で、切っても切り離せないのが店舗の分析です。
顧客・商圏生活者理解に基づいた店舗づくりをご支援していく段階で、課題店舗を一つ決めて、まずはそこを改善し、次にその改善ノウハウを水平展開し徐々に大きくしていくという手段があり、その際に店舗分析の一手法としてKLAを使っています。
主には店舗来訪者の居住地や性・年代などの属性を見ています。例えば、ID-POSは店舗会員の住所が取れるので、会員の中で5月に購買があった方の住所をマップに落として、その次に店舗来訪者の居住地を可視化し、エリアのギャップをみると、“来訪しているのに購買に落とし込めていない層を地図上であぶりだすことができます。
商圏を捉える際には、ギャップを見ることが重要だと思っています。
最初に国勢調査データで生活者を把握し、KLAで来訪者を把握。さらにID-POSデータで購買者を把握します。この3層の商圏を地図上に落とし込んだときに、どこにギャップがでるのか。こういったギャップを見て商圏を捉えつつ、そこから課題を見つけ解決につなげていくフローはとても大事にしています。
自店と競合店の客足・客層を比較。
そのギャップを客観的に把握すると、具体的な課題が見えてくる。
KLAの活用メリットは?
一番は、クライアントの店舗だけでなく、その競合店舗との比較分析ができる点です。「位置情報のレポートといえば競合店比較だよね」というくらい認知も評価も高いですし、位置情報分析の中では競合店分析のレポーティングがクライアントに最も響いていると感じます。
ID-POSは自店のデータしかないため、小売業様自身は競合店のデータは見えません。自店の競合はどこで、何時台、何曜日の客足はどうなのか、肌感では分かっているのですが、KLAを使って数字で示すと客観的に把握できるようになり理解が進みます。
例えば、『この曜日は付近の店舗がセールを打つので自店舗への来客数が減る』といったようなことを、KLAのデータとID-POSデータを見ながら事実確認をしていきます。実際に具体的な施策に落とし込む前段階で、こうした事実をご担当者だけでなく店長や従業員の皆様でデータとして認識することはとても重要だと考えています。客観的に認識をすることで、現場の目線合わせができるからです。
また、クライアントからは、『自店舗の顧客の年齢層は大体把握できているが、例えば若い人がどの店舗に行っているのか等は分からない』という話をよく聞きます。KLAは、競合店の来訪者の年齢構成を自店舗のそれと比較できるので、「やっぱり若い層は、この競合店に行っているのか」「じゃあ、なぜ若い層はこの店にいくのだろう」といったような、課題を洗い出す具体的な視点が作れるのは良いと感じます。そういった課題の発見、分析を、MD戦略や店舗づくりに生かしていきます。
※情報セキュリティ上、分析画面のマップ部分はピクセル化しています。
GPSはフロア別の人流把握がしにくいため、テナント影響のある店舗の人流を見る際は、工夫しつつ使っています。例えば、滞在時間を60分以内に区切ってみたり、飲食店やジム、オフィス等が入っているビルで、スーパーマーケットだけ使っているだろう滞在時間に区切ったりと、他の階のノイズを押さえられるような分析条件の設定はどこだろうと、探りつつやっています。
KLAは、期間だけでなく、滞在時間等の分析条件も細かく設定できますし、何度やり直しても定額・使い放題なので、トライアンドエラーもしやすいです。
顧客や店舗の現状把握に欠かせない“来訪者分析”を、
いつでも手軽に調べられる環境は強みになる。
私のクライアントは、モールや商業施設もあるものの、スーパーマーケットがメインとなります。
人口減少に対するオーバーストア化や、今は薄れつつありますがコロナ禍が続く中で遠出をする機会が減り“商圏の狭小化”が進むといった背景があり、小売店舗にとって新規顧客の獲得は、競合店からのシフトとほぼイコールになってきます。ということは、自店の強み、足りない点をしっかり見て、商圏内のシェアを高めていくことがより重要になります。こういった状況下では、やはり顧客視点での店舗/商品戦略は欠くことができません。
今後も、顧客や商圏生活者、店舗の現状をタイムリーに把握し理解していくうえで、KLAのようなセルフで気軽に店舗来訪者を分析できる環境は欠かせないものになってくると思います。
サポート体制について
KLA画面にあるヘルプメニューはよく使います。
システムの管理画面からすぐマニュアルをチェックできる動線は、活用しやすくて良いと思います。
使い始めた初期の頃は、技研商事インターナショナルの営業の方に電話して教えてもらっていましたが、今でもちょくちょく気にかけて連絡をいただけるのはありがたいです。
弊社のように、限られた人しかシステムを触らない場合は、担当者が貼りつきで複数の案件をずっと分析していることも多く、社内の誰にもKLAの相談ができない状態になりがちです。以前営業の方から、「最近ログイン減っていますけど、活用でお困りはないですか?」という連絡をもらったことがありますが、当時はありがたかったですね。また、KLAに新機能が出るたびに、個別に連絡をもらいレクチャーをしていただけるのも助かっています。
(取材月:2023年6月)