ハフモデルの進化系「グラビティモデル分析」機能
グラビティモデル分析(ハフモデル分析)の仕組み
グラビティモデル分析とは、アメリカの経済学者David Huff博士が考案した集客力・売上予測モデルです。
商圏分析の代表的手法のひとつで、出店前に立地(商圏)と競合店を加味した集客力調査や売上予測を行う手法のことを言います。
ハフモデルは、一般的に「居住地から近くて、規模の大きな店舗のほうが吸引率(店舗に来る率)は高くなる」という考えに基づいており、新規出店時の候補選定や、逆に自分たちの店舗の商圏内に新たに競合店舗が進出してくる場合に、集客への影響を図ったり、売上予測をたてなおしたりする際によく使われる商圏分析手法です。
一方、当社が開発した「グラビティモデル」は、ハフモデルをより進化させた手法です。 お店の魅力値を売場面積等の規模感だけでなく、駐車場の台数やレジ台数、従業員数、食品売上構成比等、複数の吸引要素を選び自店や競合店のよりリアルな魅力度を設定できる点と、このような複雑な分析に不可欠な「トライアンドエラー」がしやすい分析画面のUIが特徴です。
駐車場の台数や売場面積、従業員数やカテゴリ別売上構成比など、単位の異なる要素でも、グラビティモデル分析機能なら、各要素の数値を入力するだけで、自動で店舗の魅力値を算出してくれます。 ここが、従来のハフモデルを大きく異なるポイントです。
競合店の影響度を加味する重要性
国勢調査等、一般公開されてる統計データや自社のデータだけで出店エリアの分析をすると、周辺の競合店舗に流れる人まで自社の顧客にカウントしてしまい、売上予測と実際の値に大きなズレが生じやすくなります。競合の店舗の吸引率(集客力)を分析時にきちんと計上することで、よりリアルな吸引人口(集客数)を予測することができます。
グラビティモデル分析イメージ
MarketAnalyzer™ 5のオプション機能「グラビティモデル分析」は、競合を加味した自社の地域吸引率や吸引人口数を算出する機能です。
競合店舗の数や質をふまえた上で、自社の新店舗の出店前後のシミュレーションを行うことが可能です。
左下図は、グラビティモデル分析機能を使い、あるエリアのチェーン店舗A、B、Cの顧客分布(エリア毎の吸引率)を地図上に可視化したものです。青のCチェーンのシェアが高いことが見て取れます。
右下図は、新店舗を出店した後の、自店舗を含めた勢力図のシミュレーションです。
出店前後で、獲得世帯数と商圏内の吸引率の変化も算出できます。
さいごに
従来のハフモデル分析では、売場面積の広さを店舗の魅力として用いますが、ライフスタイルや価値観が多様化する今、必ずしも広さだけが店舗の魅力になるとは限りません。
品揃えの豊富さや駐車場の有無、営業時間や従業員の数など、その店の様々な要素を加味した魅力値の設定ができ、そうしたシミュレーションを何度もトライアンドエラーできるMarketAnalyzer® 5のグラビティモデル分析機能は、ユーザーの皆様からも根強い支持をいただいています。
ぜひ一度、ご相談ください。